
気持ちのいい新緑の季節になりました。
日本は四季がなくなってきたという人もいますが、長く辛かった冬の寒さに耐え新芽を出している草花を見ると、初夏の訪れを感じます。
4月に新年度を迎え、皆さんそれぞれが新たな気持ちでスタートされたと思います。
もやい千住のステーションでは、2月に入社した新人社員2人も少しずつ一人で訪問できるお宅が増えてきました。
とはいえ共に在宅介護が初めてだったので、まだまだ日々勉強に励んでいます。
もうみなさんご存じですが、うち1人は外国籍の男性社員です。
彼は日本語能力検定1級(ビジネスレベル)に合格し、介護福祉士の有資格者です。
飲食や販売の業種では、外国籍の方が働いているのは珍しいことではありませんが、介護業界では日本人以外の採用はまだ少なく、医療・福祉業界の外国人就労者は全体の4.4%だそうです。
それでも介護施設では外国籍のスタッフをよく見かけるようになりました。
しかし訪問介護では、多くの事業所が受け入れは難しいと言っているそうです。
その原因の一番は、言葉の壁です。
利用者の自宅で1対1になる訪問介護では、コミュニケーションが取りにくく、日本の生活習慣や文化への理解が不足している、というのでは受け入れはおぼつかないでしょう。
また介護される側の年代が、日本人以外を受け付けない方が多いという現状があります。
今の私には想像もできない歴史の中を生き抜いてきた大先輩です。
自宅に入れて自分の世話をさせるなど考えられないのでしょう。
私自身も、どんなに人手不足になっても、訪問介護への外国人就労は難しいと考えていました。
今回入社したスタッフも、確かにコミュニケーションにはまだまだつたないところがあります。
また、日本のカタカナは難しいそうです。
でも、「ありがとうございます」「大丈夫ですか」を惜しみなく言える人です。
困っている人にすぐに笑顔で手を差し伸べられる人です。
私たちが忘れている大切なものを素直に表現してくれます。
私自身毎日気づかされています。
そんな彼を全力でサポートしてくれているほかのスタッフ、ステーションに来た時に応援してくれるヘルパーさんにも感謝です。
介護の人手不足が深刻化している現状、いかにすれば利用者さんの満足度を上げられるのか。
日本人というだけで、なんの目的で仕事をしているのかわからないような人をお向けするのだったら、いくつかまだ課題はあるけれど、本気でこの仕事と向き合っている彼に支援をしてもらいたい。
そして彼を受け入れてくれるお宅が一軒でも増えるようにするのが、今の私の仕事だと思っています。
キラキラした新緑の季節は始まったばかり。
皆さんにとっても、私にとっても、これから来る夏がもっと輝けるよう、今できる自分の精一杯で、この仕事を楽しんでいきましょう。