新しい事業年度が始まります

もやい理事長 渋谷紀久雄


介護事業経営が、年を追って悪化しています。
一昨年は、介護事業の倒産件数と休業・廃業・解散の件数を合わせると、介護保険制度が施行された2000年以降では最多となりました。
業種別では訪問介護事業が最も多く、次いで通所及び短期入所介護事業となっています。

今年は介護報酬改定の年ですが、基本報酬算定の基礎となる経営実態調査が、令和元年に行われていました。
その調査に基づいて各介護事業の事業収益率が算定されていますが、訪問介護の収益率は2.6%で、今年決まった報酬改定率は0.49%です。
同程度の収益率だった訪問リハビリは、報酬改定率が5.14%で、通所介護は収益率が3.2%で報酬改定率は1.03%でした。
業種別の収益率に対する改定率を比較してみると、訪問介護が冷遇されているように見えます。
訪問介護の利用についても、制限される仕組が導入されることになるようです。

昨年は新型コロナ感染症が発生し、緊急事態宣言によりご利用者様のサービス手控えもあり、通所介護・訪問介護の売り上げが落ちました。
今年は感染症の再拡大により2回目の緊急事態宣言が出され、一段と厳しい経営が予測されます。
ゆいま~るの1月の売上は、昨年12月に比べて500万円下回り、数年前の1ヶ月売上の概算より、約20%の減少となりました。
2月の売上は、前年2月に比べてゆいま~るはマイナス5%、もやいはマイナス10%となりました。
1月2月とも大変危険な状況で、新年度の4月には売上減少を止めなければなりません。

今年1月に福島で地震がありましたが、2011年3月の東日本大震災の余震だそうです。
26年前の1995年1月には阪神淡路大震災があり、傷ついた神戸の町の復興を祈念する歌が生まれました。
「しあわせ運べるように」という歌ですが、繰り返される各地の震災のたびに歌い継がれています。
失われた、毎日の当り前の普通の暮らしの中に、幸せがあると感じられる歌です。

一瞬にしてすべての物を奪ってしまった、大震災からの復興を見習って、経営悪化からの回復に力を尽くしましょう。
元の姿に戻そうという心さえあれば、取り戻せるものは必ず取り戻すことができると思います。
私達は、お客様の自立支援と重度化を防ぐ専門職です。
介護の仕事は、幸せを運ぶ仕事です。
それぞれの家庭へ、当り前の普通の暮らしを毎日届けたいと思います。

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