事業計画を考える

もやい理事長 渋谷紀久雄

昨年は介護保険と医療保険の同時改定と、予防介護である総合事業の市区町村への移行という、大きな制度改正がありました。介護報酬の改定はプラス改定でしたが、当社の30年度の売上は29年度を下回り、ここ数年例を見ない売上減少となりました。売上悪化の原因を特定することが出来ませんが、在宅介護事業の先行きが不透明な現状もあり、今までとは違う大きな変化を迎えるかもしれないとも考えられます。

パラダイムシフトという考え方があります。当たり前だと思っている常識や前提が大きく変わることですが、介護業界では法制度や利用者の意識などの環境の変化により、業界の考え方が大きく変化することになります。長期的な変化としては、介護保険制度に止まらず国の財政赤字によって維持されている社会保障制度全体を、継続可能な制度に改革する方向にあると思われます。現在進んでいる人口減少は生産人口の減少をもたらし、社会保障制度の破綻の危機を迎えることから、全世代型社会保障制度へ変更するという順序が考えられています。介護報酬に関しては給付の抑制が更に進み、人手不足と併せて経営が更に厳しくなると思われるのです。介護保険制度だけに頼らない事業を取り入れなければならないということで、保険外サービスが注目されています。

介護保険制度が導入されて、介護が地域に溶け込んで来ました。更に地域密着型サービスが創設されると、「在宅介護」「施設介護」という点を核としたサービスから、「地域介護」という地域を面としてとらえる取組みがはじまりました。地域から分離していた介護が、地域と共存し、これからは地域に融合したものになって来ました。保険外サービスというのも、地域と一体となった事業が考えられるのではないかと思います。どんな事業が良いのかわかりませんが、今はどんな状況になっても、利益を出すようにしなければなりません。売上を下げない、赤字にしないように、力を合わせて頑張りましょう。

最後に、将来のあるべき介護事業について提言されていたことを記します。この考え方に沿って、事業を進めようと思います。
1. 地域密着の地場産業であること
   歴史、文化、伝統、方言などに基づく地域固有の暮し方を継承していく
2. 心豊かな人が集う人材産業であること
   人材が礎であり、人を育てる後継者の育成を大切にする
3. 暮らしを支える生活産業であること
   刻一刻、四季の気象によっても変わる、生活者である利用者を支える
4. 超高齢社会を担う社会貢献産業であること
   住み慣れた地域で暮らし続ける人の、尊厳を支えることに自負心を持つ

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