振り返りと今年の抱負

もやい理事長 渋谷紀久雄

新しい年度を迎えて、昨年の振り返りをしたいと思います。

もうすぐ年に一回の区切りである決算が確定しますが、昨年の会社の売上は2017年を下回る厳しい結果となりました。
毎年1月から3月までの売上は低調ですが、4月から6月で取り戻すのが通例でした。
ところが昨年は、4月以降も前年を下回る売上が続きまして、介護報酬改定の影響ではないかと思っています。
2018年の改定は、3年後の2021年の改定や2024年の医療と介護のダブル改定を経て、団塊の世代が75歳以上に達する2025年を見据えた改定です。
ですから、給付の抑制と介護人材の不足という厳しい経営環境はこれからも続きます。
昨年失われた売上は戻るものではありませんが、残った売上は強固なお客様の信頼の賜物です。
厳しい状況にある時こそ、一人のお客様も失うことのないように、丁寧に心を込めてより上質なサービスの提供に全力を尽くしましょう。

1991年9月、りんごの収穫期を前にした青森県に、「りんご台風」と呼ばれる台風19号が上陸しました。
台風通過後のリンゴ畑はあたり一面にりんごが落ち、9割ほどのりんごが出荷できなくなったということです。
当時家政婦紹介所には、農閑期を利用して病院で付添いの仕事をするために、青森からも沢山の方が来ていました。
りんごは全滅という家もあり、借金だけが残ったという人もいました。
そんな危機的な状況のなかで、風速50メートルの暴風にも耐えて「落ちなかったりんご」を、全国の神社で「受験生のお守り」として販売するというアイディアを思い付いた人達がいたということです。
落ちてしまった9割のりんごは戻りませんが、落ちなかった1割のりんごを見て悩み抜いた力は、リンゴ畑の再生には大きな力となったことでしょう。

この話を当社の現状に照らして見ますと、今のままで事業を進めるのは限界に来ているのではないか、何かに新しく挑戦しなければならない時ではないかと考えられます。
今の事業の売上を減らさないことが第一で、早い時期に現在の事業と新たな事業とを複合的に経営しなければならないということです。

今想定している事業も在宅介護ですが、介護は生きる楽しさを続けるようにすることです。
「老いを、楽しく、面白く」というのが、介護の目標であると同時に、私にとって個人的な老後の指針でもあります。
仕事をしなくなったりやることが無くなると、生きがいを無くし人生が面白くなくなります。
「面白く」というのは、自分で考えて自分に合った生きがいを見つけ、面白さを感じなければならないということです。
在宅介護で老いを楽しく、自分で考えて老いを面白く、そうしたいと思います。

 

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