地域包括ケアシステムの「植木鉢モデル」

専務取締役 渋谷昌代

要支援者に対する介護予防が、介護予防・日常生活支援総合事業として実施されることとなり、各自治体で徐々に移行が始まっています。
弊社のサービス実施地域である葛飾区・荒川区は既にサービスが開始され、足立区では10月に開始される予定で準備が進んでいます。
行政も事業所も、手探りの状態にあるというのが実際のところではないでしょうか? 

人材や財源の確保といった課題がある中で、サービスを受ける側の意識の変革・決意が求められています。
それを象徴しているのが、地域包括ケア研究会の2015年度の最新の報告書で変更が加えられた “地域包括ケアシステムの「植木鉢モデル」”ではないでしょうか? 

2012年に初めて登場した「植木鉢モデル」を多くの方がどこかで見かけているかと思います。間違い探しのようですが、変更点を探してみて下さい。

 植木鉢モデル

初代モデルでは葉の部分に位置付けられていた予防が、自助・互助の取組みが担う土台部分へ生活支援と一体的に示され、受け皿の本人・家族の選択が、本人の選択とされました。  

当社の理念にあるように、個人の生存と尊厳は全ての人々にとって究極の価値であります。そして尊厳とは、人として自立して生きていくことだと考えます。私たちは、個々の人間に与えられた自立する力を最大限に伸ばすための援助を行っています。人には自立する力があり、自らが生き方を選択したいという想いがあるはずです。

本人の選択を尊重するということが何よりも大切ですが、言うは易し行うは難し。分かってはいても、周囲の人々、特に家族にとっては難しいこともあるでしょう。確かに公助・共助のサービスは本人が対象となるものですが、本人の選択を尊重するためにも、その背景にある家族の覚悟も支えられる事業者でありたいと思います。

そして、三つ葉を茂らせるために、しっかりとした根を張ることが出来る様に、土を豊かにする取組みを考えていきたいと思います。

イラスト出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 地域包括ケア研究会「地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業 報告書」

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